「すみだで一番“まちを編集している人”」──そう聞いて思い浮かぶのは、すみだ経済新聞の編集長・宮脇 恒さんだ。
墨田区のニュースや人の声を日々記録し続けるローカルメディア「すみだ経済新聞」。
もともとは2008年に創刊されたこのメディアを、2023年から新たに引き継ぎ、編集長として、そしてChanois(シャノワ)の代表として運営しているのが宮脇さんだ。
今回のインタビューでは、「まちを編集する」という考え方の背景や、メディア運営のリアル、そしてこれからの墨田区にかける思いを聞いた。
― まずは「まちを編集する」という言葉について聞かせてください。
宮脇:
もともと僕は「編集」という言葉がすごく好きで。
何もないところに意味を持たせたり、人や情報をつなげて新しい価値を生み出したりする力があると思っています。
「まちを編集する」っていうのは、誰かが決めたまちの価値じゃなくて、住んでいる人たちが自分たちの手で「面白い」「大切」と思える視点を持って、共有していくこと。
すみだ経済新聞やすみだパレットは、そのための“道具”のような存在ですね。
― すみだ経済新聞には、2023年から関わっていると伺いました。
宮脇:
はい。すみだ経済新聞は2008年に創刊されたメディアですが、2023年から僕がシャノワという会社を通じて運営を引き継ぎました。
それまでにも地域や観光、メディアの仕事をしていたんですが、やっぱり墨田区ってすごく魅力のあるまちなんですよ。
このまちに根ざして、自分の目で見て、耳で聞いて、伝えていくことに、いまは本気で向き合っています。
― 「すみだパレット」や「市民記者クラブ」など、新しい動きもありますよね。
宮脇:
すみだ経済新聞が「伝える」メディアだとすれば、すみだパレットは「つながる」メディア。
市民記者クラブは「書く人」を育てる場でもあるし、僕自身が「編集長」ではなく「仲間のひとり」として関わっていくための仕組みでもあります。
墨田区には語るべき人や風景がたくさんある。その声をちゃんと拾って、地域の中に届けていきたいんです。
― これからの墨田区で、どんなことをしていきたいですか?
宮脇:
僕は墨田を「日本観光のハブ」にしたいと思っています。
東京駅や上野駅からも近くて、羽田にも成田にも乗り換えなしでアクセスできる。だけど、浅草や東京スカイツリーの“通過点”になってしまっているのがもったいない。
このまちにしかない文化や人の力を、もっと編集して、もっと届けていけたらいいなと思っています。
🧩 クロージング
「まちを編集する」という言葉の奥にあったのは、
**“人を信じる力”と“関係を育てる覚悟”**だった。
すみだ経済新聞、すみだパレット、市民記者クラブ。
そのすべてに込められているのは、誰かの思いを言葉にし、まちにひらくという意思なのだ。
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